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自治体の方へ

[開催報告]ブックスタート全国研修会2021~親子の愛着形成を支える地域協働のかたち~

2021年11月25日、「ブックスタート全国研修会2021」を開催しました。
初めてオンラインで実施した今回は、関係者が1か所に集まって視聴した自治体も含め、全国から約800名の参加申し込みがありました。

■プログラム

[ 講演 ]
地域で育もう、子どもと家族!~社会の宝物を預かる私たち~
( 三石知左子さん 東京かつしか赤十字母子医療センター院長/小児科医 )

[ 報告・事例紹介 ]
・読みきかせの体験と絵本のプレゼントがもたらすもの
・コロナ禍のブックスタート
( NPOブックスタート)

■三石知左子さん講演
「地域で育もう、子どもと家族!~社会の宝物を預かる私たち~」

NICUを退院した赤ちゃんの順調な成長を見守る、ハイリスク児のフォローアップや小児保健が専門の三石さん。赤ちゃんの成長発達をみることはもちろんですが、「近年では、健診に赤ちゃんを連れてくるお父さんやお母さんの様子を観察することも、小児科医の重要な役割になっています」と話します。なぜなのでしょうか。

育児困難が予想される妊産婦をサポートするため、東京かつしか赤十字母子医療センターでは、2016年に専門チームを発足。立ち上げ当時はチームの介入率が全体の13.1%だったのに対し、2019年には26.6%と、4例に1例は何らかのリスクを抱えており、専門的なサポートを必要とするケースが年々増えているそうです。

「世の中の格差拡大を実感せざるをえない」
親子をサポートするためには、医療の現場だけでなく行政との情報共有や連携が重要と話す三石さん。実例をもとに、具体的な方法や課題を伝えていただきました。

三石さんのお話から、広がる格差への問題意識を参加者の皆さんと共有する中で、ブックスタートの継続や充実、そして活動を広げていくことへの使命感を強くしました。

内容をまとめた講演録は、2022年秋ごろに刊行予定です。
▷これまでの講演録は こちら

■NPOブックスタートによる報告・事例紹介

全国の事例を交えながらブックスタートの基本理念に立ち返り、コロナ禍における取り組みについても紹介しました。

コロナ禍の事例は、読みもの「コロナに負けない!」シリーズでもご紹介しています。
▷読みもの「コロナに負けない!」シリーズは こちら 

また、近年、日本のブックスタートが世界から関心を集めているポイントについて、「ウェルビーイング」の観点からお伝えしました。最新のニュースレターでも紹介していますので、ぜひご覧ください。
▷ブックスタート・ニュースレター 2022年冬号は こちら

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<参加者の感想>

・今現在の妊産婦さんにおける実情が分かり、今後、保護者の対応を考える上での参考になりました。

・コロナ禍のブックスタートで読みきかせを実施している自治体の事例が参考になりました。距離を取った上でどうやって赤ちゃんに注目してもらうかなど、具体的な工夫が聞けて良かったです。

・当日はボランティアしか見ていませんでしたが、これは保健センターにも見てもらわねばと思い、見逃し配信を活用させていただきました。※現在は見逃し配信は終了しています。

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初めてオンラインで実施したブックスタート研修会。これまで参加が難しかった地域の皆さんとも、つながることができました。今後もオンラインを活用した催しを行っていきますので、ぜひご参加ください。