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[開催報告] ブックスタート全国研修会2023~「赤ちゃんにとっての最善」のために私たちができること~

10月20日、「ブックスタート全国研修会2023」をオンラインで開催しました。
本研修会は、ブックスタートに関心をもつ様々な立場の方が、その思いを共有する機会として、年に一度開催しています。オンラインでの開催は今年で3年目。関係者が同じ会場に集まって視聴した自治体も含め、全国から計740名の参加申し込みがありました。
当日の内容をハイライトでご紹介します!

*全国研修会についてはこちら

■プログラム
1.講演
「子どもの声を聴く~子どもの権利に根ざしたウェルビーイングな社会に向けて~」
(小澤いぶきさん/認定NPO法人PIECES代表理事 / 児童精神科医・精神科医 / 京都大学医学研究科 研究協力員 / こども家庭庁アドバイザー)

2.報告
「『こどもまんなか社会』とブックスタート」(NPOブックスタート)

3.事例発表
「すべての赤ちゃんに絵本を~ボランティアと共に~」(神奈川県藤沢市 総合市民図書館)
「『体験』と共に届けたい思い~コロナ禍を経て~」(愛知県尾張旭市 健康課)

■小澤いぶきさん 講演

児童精神科医として、トラウマ臨床や虐待臨床に従事する傍ら、子どもの権利やウェルビーイングが大切にされる社会を目指してNPOを運営する小澤さん。

そもそも子どもの権利とは?
ウェルビーイングってなんだろう?
どんな関わりが子どもを尊重することにつながるの?

そんな疑問にこたえながら、誰にでも、子どもが幸せに育つ社会をつくっていくためにできることがあるとお話しくださいました。

「まだ言葉が話せない赤ちゃんは、泣いたり笑ったり、言葉以外の方法で自分を表現しています。それを、大人が「嬉しいね」「おなかがすいたかな」と言葉にしていく。例えばオムツを替える時、丁寧に何をするかを伝えていく。このようなことも、赤ちゃんの存在を尊重する関わりです。ブックスタートでは、絵本を楽しむ赤ちゃんの様子に、大人が応答するという時間がつくられていますが、赤ちゃんの権利に根ざした大切な取り組みの一つだと思います」

小澤さんのお話の内容は、講演録として刊行予定です。

▷これまでの講演録はこちら

■NPOブックスタート 報告
約7割の自治体では、市民がブックスタートに協力しています。
地域に赤ちゃんの幸せを願う人の輪が広がっている様子を、各地の事例から紹介しました。

■神奈川県藤沢市 事例発表
1歳6か月児健診でブックスタートを実施。約100名の市民ボランティアが携わっています。
コロナ以降は、親子への読みきかせを休止していましたが、ボランティアが安心して参加できる体制を整え、2023年7月に再開しました。

保護者からは、
「上の子のときは絵本を渡されただけでした。今回は実際に読みきかせをしてもらえて​、子どもも喜んでいたので良かったです」
といった声が寄せられています。

■愛知県尾張旭市 事例発表
コロナ以降、身近に悩みを相談できる人がおらず、子育てに行き詰まる保護者が増えている実感がありました。そうした中、事務局を担当する健康課の保健師は、
「まずは親子で楽しい時間を過ごすことから伝えていきたい」
と考えました。
そして、ブックスタートでの読みきかせの「体験」がその具体的なきっかけになるとして、感染拡大以降休止していた6-7か月児育児・離乳食相談での読みきかせを再開することにしました。

絵本をその場で読んでみると、会場では親子の笑顔が再び見られるように。中には「久しぶりに家族以外の人と話した」という保護者もいたそうです。

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本研修会を通して、子どもの存在が尊重される社会を、活動に携わる皆さんとともにつくっていきたいという思いを新たにしました。