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アレックス・ストリックさん来日に寄せて

イギリスの児童書作家であり、長年にわたり障害とインクルージョンの推進に取り組んできたアレックス・ストリック(Alex Strick) さん。 当NPO では2026年2月、ストリックさんを迎え、講演&対談イベント「ともに生きる世界を描く 児童書がひらくインクルーシブな未来」を開催します。

Putting the ‘children’ into children’s books
子どもを本づくりの中心に置くこと

ストリックさんは「どの子も本の中に自分の姿を見つけられるように…」という思いのもと、長年にわたり「児童書の中で描かれる子どもの姿」に目を向けてきました。
子どもが本の中に自分自身を見出すことは、その子が社会に確かに存在し、受け入れられ、大切な存在であることを伝えることにつながる。そして、多様な背景をもつ子どもたちが自然なかたちで描かれた児童書は、 子どもたちの「世界の見方そのもの」を形づくっていく――。ストリックさんはそう語ります。

1990年代半ば、ストリックさんはイギリスのブックスタート推進の責任者として、活動を全国規模のプロジェクトへと成長させました。その後、別の団体において、障害のある約100人の若者とともに活動する全国規模のプロジェクト運営に携わります。
こうした経験を通して、児童書を本当に包摂的(インクルーシブ)なものにするためには「当事者としての経験」を本の中に丁寧に届けていくことが欠かせないと考えるようになりました。そして2013年、「多様な背景をもつ子どもたち」と「本の作り手」をつなぐ団体 Inclusive Mindsを設立します。

講演でストリックさんが語るのは、単に「登場人物をもっと多様に」という提案ではありません。障害をどのように描くことができるのか、そして子ども自身が自然に共感できる描き方とはどのようなものなのか ――その問いを具体的な実践や事例を通して掘り下げていきます。

今回のイベントでは、バリアフリー絵本研究者の攪上久子さん、東京科学大学の伊藤亜紗さんとの対談も予定。イギリスの児童書におけるさまざまな取組や実践を手がかりに、私たち一人ひとりが、日常の中で自分とは異なる背景や経験をもつ人とどのように向き合い、関わっていくことができるのかについて考えます。
「すべての赤ちゃんの幸せを願う」ブックスタートの理念に立ち返り、その意味を皆さんと共に改めて考える機会としたいと思います。

<アレックス・ストリックさんについて>
イギリスの児童書作家。長年にわたり、児童書における多様性とインクルージョンの推進に取り組む。多様な背景をもつ子どもたちと本の作り手をつなぐ団体 Inclusive Minds を共同設立。
障害者表現を調査する公的な研究「Reflecting Disability」の共同ファシリテーターも務める。
webサイト:https://www.alexandrastrick.co.uk/

著書:
『You Can!』(絵.Steve Antony, Otter-Barry Books, 2021)
子どもたちとの対話から生まれた絵本。挑戦する勇気や、夢を信じる力を、子どもたちが成長する姿とともに描く。
『We Can!』(絵.Steve Antony, Otter-Barry Books, 2024)
今よりも安全で、地球にやさしく、互いを大切にする場所――。子どもたち自身の声をもとに、彼らが暮らしたいと願う世界を描いた一冊。
『Let’s Play』(絵.Annie Kubler; Sarah Dellow, Child’s Play, 2025)
さまざまな手触りを楽しめる赤ちゃん向けしかけ絵本。絵本をひらき遊ぶ喜びが感じられる一冊。


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