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[奈良県川上村] 手作りバッグに思いを詰め込んで

奈良県川上村のブックスタートでは、赤ちゃんに贈る絵本を、手作りの布バッグに入れて手渡すという取り組みが行われています。

「この地域には、村全体で子どもを育てていこうという土壌があるんです」
と語ってくださったのは川上村立図書館の新 亜由美さん。
川上村では、こどもセンターの「子育て広場」という取り組みにおいて、絵本からはじまる親子のふれあいの時間を大切にしたブックスタートを実施しています。親子は、図書館職員による読みきかせを体験したあと、2冊の絵本を選びます。選ばれた絵本は後日、職員が丁寧にラッピングし、手作りの布バッグに入れて、図書館にてお渡しします。

この布バッグを一つひとつ丁寧に制作されるのは地域ボランティアの栢本さん。ご負担になるのではと申し訳なく思う新さんに、栢本さんは「全然苦じゃないですよ」と、話してくださるそうです。
布バッグは丈夫さも魅力のひとつ。中学生になっても学校や図書館で使い続けている子や、「図書館へ行くときは今でもこのバッグです」と話す保護者もいるとのこと。布バッグが子ども達の日常になじんでいる様子が、とても印象的です。
ちなみに、バッグの布代は、絵本の購入費とともに、ブックスタートの予算として計上をしているそうです。

川上村の出生数は、このところ年間10名以下で推移しています。
子どもの数は決して多くありませんが、丁寧で心のこもった取り組みを続け、子どもたちの成長を支えているのですね。
絵本とともに手渡される布のバッグ。そこには、「ようこそ」という気持ちと、親子の未来に寄り添う村の愛情が、たっぷり詰まっています。