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[愛知県豊橋市]「絵本相談コーナー」で伝える、赤ちゃんとの絵本の楽しみ方/コロナに負けない!20

4か月児健診の待ち時間に、親子に絵本の説明をするボランティアさん。
これは豊橋市の「絵本相談コーナー」での写真です。
「今度はどれを食べる?などと自由にことばをかけながら、絵のブドウを1粒ずつ取る真似をして楽しむこともできるんですよ」。
すると、保護者は表紙を見たりページをめくっただけでは分からない絵本の楽しみ方に、とても関心を示してくれます。

豊橋市では、ブックスタート事業を開始した2005年以降、5冊の絵本の中から親子が選んだ1冊を健診で手渡してきました。しかし、2020年春、コロナ禍のため読みきかせが休止。簡単な説明と絵本の配付のみとなってしまいました。それまでは、我が子が絵本を楽しむ様子を見ながら絵本を選ぶ保護者が多かったのですが、それができなくなったことで絵本選びに迷う姿が会場で多く見られるようになりました。

そこで、2021年秋に開始したのが、この「絵本相談コーナー」です。
ブックスタートでプレゼントする絵本を展示し、待ち時間の間に保護者が実際に手にとれるようにしているほか、ボランティアが絵本を数ページひらきながら、絵本の特徴や楽しみ方を紹介しています。

「数ページだけでも、ひらくと赤ちゃんは絵本をパッと見るんです。その様子に我が子が絵本を楽しめることを知って驚くお母さんも多いです」。
読みきかせはまだ再開できませんが、絵本相談コーナーを通して赤ちゃんと絵本の時間を共有する楽しさを伝えています。

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豊橋市のボランティア・職員の皆さんと研修会にて

豊橋市では、図書館、ブックスタート・コーディネーター(※)、こども保健課、「赤ちゃん絵本ボランティアの会」が連携し事業を支えてきました。
「赤ちゃん絵本ボランティアの会」のメンバー(23名)は、ブックスタートや図書館でのおはなし会に協力するだけでなく、毎月定例会議を開催し事業について話し合ったり勉強を積みかさねたりしています。

2022年10月、「赤ちゃん絵本ボランティアの会」が開催したブックスタート研修会にうかがい、コロナ禍での他自治体の取り組み等についてご紹介しました。
終了後に皆さんとお話をしたのですが、今できることとして絵本相談コーナーを行っているものの、それでは不十分だと感じているとの意見がボランティアさんから聞かれました。
絵本相談コーナーに立ち寄るのは、受診者の約半数。絵本選びに関心が高い人や悩んでいる人がほとんどで、絵本にあまり関心のない人と話せるケースは少ないといいます。そうした人にも、読みきかせした時の赤ちゃんの様子を見てほしい。赤ちゃんと絵本をひらく心地よさを体験して欲しい―――。
「すべて」の親子に読みきかせの「体験」を届け伝えていくことの意義を、改めて感じているそうです。
そんな皆さんとの読みきかせの再開に向けた熱い話し合いは、なんと1時間にも及びました。

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親子のために「今、自分たちができること」を行い、「今後、自分たちがすべきこと」を真剣に考えている豊橋市の皆さん。その姿に、この事業が多くの人の熱い思いに支えられていることを実感しました。

※ボランティアとの連絡・調整業務/当日の進行管理/図書館・こども保健課との連絡・調整業務などを担当。司書経験者が有償で務めている。