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連載「赤ちゃん絵本を9言語で紹介」(1)外国人親子に、絵本を楽しんでもらうために

 
4.0%、25人に1人。
 
これは、日本の2019年の総出生数(883,566人)に占める、親が外国人(父母ともに外国人、および父母のいずれかが外国人)の子どもの出生数(35,730人)の割合です。
1987年の1.3%から、およそ3倍に増えました。
※厚生労働省「人口動態統計」(2019年・1987年)
 
ブックスタートの会場に日本語以外を母語とする親子が参加する機会も、年々増えています。
 
当法人では、そうした親子にもブックスタートの趣旨を伝えるため、2004年から多言語資料を作成。各自治体から外国人親子に手渡されています。
 
そして今春、9言語に対応する「多言語対応 絵本紹介シート」が完成。作成に際しては、東京外国語大学との協働が実現しました。
 
「絵本紹介シート」は、2018年4月、8言語に対応する資料として提供を開始しました。資料作成のきっかけのひとつが、2016年に群馬県大泉町のブックスタートを見学したことでした。
※8言語対応の絵本紹介シートについてはこちら
 
会場にいらしたその外国人のお母さんは、最初、ボランティアからの声かけにほとんど言葉を返さず、日本語があまり分からない様子でした。
一方、お母さんに抱っこされた赤ちゃんは、絵本をボランティアが読み始めると、身を乗り出して、夢中でそこに描かれただるまの絵をさわっていました。
すると、その様子を見ていたお母さんの表情が緩み、ふと、笑顔を見せてくれたのです。
その後、お母さんは、少し緊張がほぐれた様子で、ボランティアの身振り手振りの説明を、一生懸命に聞いていらっしゃいました。
 
 

 
 
その様子を拝見し、ブックスタートには、慣れない日本語でのやり取りに緊張したり、不安を感じたりする外国人保護者がいらっしゃること。
そして、読みきかせの体験を通して絵本の楽しさが伝わるのは、外国人も日本人も一緒なのだということを実感しました。
 
大泉町の担当者からは、次のようなエピソードもお聞きしました。
 
それは、日本語が分かる外国人の保護者から、だるまの絵について、「これは何ですか?」と質問があり、「日本のトラディショナルな(伝統的な)人形なんですよ」と説明したところ、理解してくださったというものでした。
 
確かに、例えば自分が英語の絵本を読もうとした時に、学校で習った程度の英語の知識があれば、絵を見ながら、ストーリーはなんとなく理解できるかもしれません。
でも、そこに見たことのない物が描かれていたり、聞いたことのない言葉があったらどうでしょうか?
調べる術がなければ、その絵本の本当の楽しさを味わえないままになってしまうかもしれません。
 
絵の意味や、絵と言葉との関係性なども含めて楽しいのが、絵本。
 
外国人の保護者が、我が子に読んであげたいと思った時に、もらった絵本の絵や言葉に関する情報があると、より興味を持って、楽しんでもらえるのではないか。
また、そうした情報が多言語で書かれた資料を手渡すことで、保護者に少しでも安心してブックスタートを受けてもらえるのではないか。
私たちはそう考えました。
 
そうして出来上がったのが、「多言語対応 絵本紹介シート」です。
 
各地域では、「これがあらすじですよ」と手渡したところ、保護者がとても喜んでくれたり、「あなたの母語はどの言語ですか?」と、身振り手振りを交えて尋ねると、資料を指さして自分の言語を教えてくれたり……そんなやり取りが生まれています。
 
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連載「赤ちゃん絵本を9言語で紹介」(1)
次回からは、今春完成した「多言語対応 絵本紹介シート」のポイントや、製作エピソードなどについてご紹介していきます。

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