事例紹介

広島県廿日市市

「たくさんの熱意に支えられて」

  • 取材日2011年1月
  • ニュースレターNo.33より抜粋
  • 事務局
  • 健康推進課
  • 年間出生数
  • 約1000人
  • 月齢
  • 4か月
  • 実施機会
  • 健康診査

約50名のボランティアが支えているブックスタート事業を、市では市報の特集で紹介しました。そこには事業のPRとともに、ボランティアにこれからもやりがいを持って活動に関わってほしいという、恩返しの意味も込められています。

「赤ちゃんを抱っこさせてもらえますか?お子さんのお顔を見ていてくださいね」ボランティアが赤ちゃんを膝に乗せて絵本を読み始めると……「見てますね。あ、笑った!」赤ちゃんのかわいらしい様子に、保護者の驚きと喜びの声が響きます。
今回は、世界遺産の宮島・厳島神社で知られる広島県廿日市市の取り組みをご紹介します。

 絵本を手渡す“説得力”

 2003年からブックスタートを実施していた廿日市市は、2005年に旧大野町、旧宮島町と合併。現在図書館でブックスタートを担当する菅原律子さんは、合併が決まった当時、旧大野町の図書館に勤務していました。
 合併に向けて旧大野町でもブックスタートを開始することになり、菅原さんはその立ち上げを担当することになりました。これまでも健診会場で絵本の紹介等を行っていましたが、ブックスタートで一人ひとりの赤ちゃんに絵本を手渡していくと、保護者から想像以上の反応があり、手ごたえを感じたといいます。「絵本を配布するのとしないのとでは違いがあると感じました。楽しい体験とともに赤ちゃんにぴったりの絵本を手渡すことで、説得力が増すのですね。だからこそ、“家でもやってみよう”という気持ちが高まるのだと思います。具体的なきっかけを作ることの意義を実感しました」またブックスタートを受診率が9割を超える健診で行うことで、たくさんの親子と直接話ができるという点も大きな魅力でした。ブックスタートにやりがいを感じた菅原さんは、合併後もこの事業を大切にしていきたいと思ったそうです。

    
ネコさん好きかな?


待ち時間を有効活用 ~ボランティアの協力

 現在廿日市市では、母子保健推進員、民生委員、そして約50名のボランティアが、健診の待ち時間に親子一組ずつに声をかけ、ブックスタートを実施しています。そのため会場に知り合いのいない保護者も孤立せず、楽しい雰囲気の中で待ち時間を過ごすことができるそうです。ボランティアの存在は、身近なところで子育てを応援している人が地域にいることを伝える役割も果たしています。
 保健師の中原洋子さんは、「時間を作って、したくを整えて健診に来ることはとても大変で、すべての方が健診に良いイメージを抱いているとは限らないと思います。でもブックスタートで、ボランティアさんが優しく声をかけてくれて、我が子の笑顔を見られるということは、保護者にとって素敵なお土産になると思うのです。赤ちゃんとどのように関わったらよいか悩んでいる方も、こうやって赤ちゃんと遊んだらいいんだ、と気付くきっかけになるのではないかと思います」とおっしゃいます。
 また健診に来られなかった対象者には、保健師や主任児童委員(民生委員)が家庭訪問でパックを手渡しており、保護者に喜ばれているそうです。

  
にぎやかな会場の様子


ボランティアへの恩返し ~市報でのPR

市では、たくさんのボランティアの協力のもとに成り立っているブックスタートを、広報で特集を組んで紹介しました。目的は、ブックスタート事業を市民に広く知ってもらうこと。そして、いつも笑顔で協力してくれるボランティアに恩返しをすることでした。

 「ボランティアの皆さんは赤ちゃんの笑顔が原動力になっているとおっしゃいます。でも、きっとそれだけでなく、活動を通じて地域社会や人との関わりを大切にしたいという思いもあると思うのです。市報に活動が客観的に紹介されることで、ボランティアさん自身も、自分が関わっている活動の社会的意義を再認識することができますし、ご家族や周囲の方にもより深く理解してもらえるのではないかと思いました。こうしたことを通じて、皆さんにこれからもやりがいを感じながらブックスタートに関わってもらいたいと思ったのです」と菅原さん。
 市広報担当の川辺邦彦さんは、取材を進める中で、この事業に関わる皆さんの熱意を感じたといいます。そしてその源にある「子どもが好き」「次の世代のために何かしたい」という純粋な思いを会場の様子とともに伝えることで、市民にこのまちをより一層好きになってもらいたいと考えました。当初の予定よりもページ数を増やし詳しく紹介したところ、市民から大きな反響が寄せられたそうです。

  
広報はつかいち2009年8月1日号4ページにわたる特集

 

 


 

 

 

 

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