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ブックスタート研修会2019 開催報告(1) 講演 スギヤマカナヨさん

2005年度から都道府県ごとに行っている『ブックスタート研修会』。
活動に関わる図書館員、保健師、子育て支援関連部署の職員、市民ボランティアなどが一堂に会し、ブックスタートへの共通理解を深めたり、近隣自治体や立場の異なる人どうしの意見交換の場として好評です。
 
そんな研修会が、6月4日(火)の鹿児島、そして25日(火)の広島で30回目を迎えました。今年度も、自治体職員や市民ボランティアなど、2日間で100名を超える方が参加。当日の様子を4回にわたってご紹介します。
 
1回目は、絵本作家 スギヤマカナヨさんの講演の様子です。 
 
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講演『赤ちゃんと紡ぐ絵本の時間』
絵本作家 スギヤマカナヨさん

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読み手に自然と笑みがこぼれるような、ユーモアあふれる絵本を多く手掛けていらっしゃるスギヤマさん。
ご自身の作品に込めた思いや、親子にとって絵本がどのような役割を果たしてくれるのか、お子さんとのエピソードも交えながらお話しくださいました。
 
 

 
 
まずは、赤ちゃん絵本の制作に初めて取り組んだ頃のエピソードから。
 
その当時、子育て経験のなかったスギヤマさんは、育児休業中の友人を訪ね、実際に赤ちゃんと一緒の時間を過ごしました。そして赤ちゃんの表情や言葉、反応を直に見て、シンプルな形や鮮やかな色の絵、擬音語・擬態語などの音の大切さに気付き、絵本に取り入れる要素を絞り込みました。
さらには、赤ちゃんとのふれあいの楽しさを実感したことから、「親子のコミュニケーションツールになるような絵本」を作ろうと考えたそうです。
 
その後も、当初の思いを大切にしながら絵本作りを続けてきたスギヤマさん。絵本を読むことで、親子の間に会話ややりとりが生まれるようなしかけを、ページ展開に盛り込もうと心がけてきました。
 
 
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向かい合って読む絵本『いっしょにごはん』(スギヤマカナヨ 作/くもん出版)
文字が少なく、「そのプリン食べたいな」「じゃあとりかえっこしようか」といったやりとりが自然と生まれます
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出産後は、親子で一緒に絵本を楽しんできました。二人目のお子さんの時には、お住まいの自治体でブックスタートを受けたそうです。
 
お子さんのお気に入りの一冊が『のせて のせて』。トンネルの場面が大好きで、実際に車に乗っている時にも、暗いトンネルから出た時に、絵本と同じ言葉、「でたー!」と言うと大喜び!絵本の世界を実生活でも親子で楽しみました。
 
 
 
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『のせて のせて』(松谷 みよ子 ぶん/東光寺 啓 え/童心社)
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ご自身のライフワークでもある、小中学校でのワークショップの紹介では、ぐっと心にしみるエピソードもありました。
『あかちゃんが うまれたら なるなる なんに なる?』に関連して、自分が何かになったら周りの人はどうなるのかを、子どもたちに考えてもらうワークショップでのこと。
 
 
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『あかちゃんが うまれたら なるなる なんに なる?』(スギヤマカナヨ 作/ポプラ社)
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ある男の子が「僕は、魔法使いになる」と言ったので、「そうすると、どうなりますか?」と尋ねたところ、
 
「おばあちゃんは、僕がおかずを出したらごはんの支度をしなくて済むので、楽ちんになる」
「弟は、僕がおやつやおもちゃをいっぱい出して、ニコニコになる」。
そして最後に、「〇〇くんが、歩けるようになる」と言ったのです。
 
〇〇くんとは、障がいがあり歩行困難なクラスメートのこと。スギヤマさんは、様々な人たちが共に生きることは、それぞれの人の心を豊かにしてくれるのだと、子どもたちから教えられたそうです。
 
その他にも、アドバイスブックレット『赤ちゃんといっしょに はじめまして 絵本』(構成・絵:スギヤマカナヨ/発行:NPOブックスタート)の制作では、公の事業の中で使われるため、冊子を手にする人たちの多様性について特に意識した、といったお話もしてくださいました。
 
軽快なトークに、参加者の皆さんも笑いあり、涙あり、盛りだくさんの1時間でした。
スギヤマさん、本当にありがとうございました!
 
 

 
 
※スギヤマカナヨさんの講演録を発行予定です(2020年3月頃)。
※次回は、ワークショップの様子をご報告します。
 
<連載>
第2回 ブックスタート研修会 2019開催報告(2) ワークショップ

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